2019/01/30
クラフトビールの魅力

クラフトビールの魅力

 

クラフトビールの人気は勢いを増している。2018年時点で日本クラフトビールメーカーが140社を超えた。大手メーカーのビールに加え多くのクラフトビールが誕生し、全国各地でビールフェスなども盛んに開催せれているほどだ。今回はそのクラフトビールについて掘り下げていく。

 

もともと2000年前後に「地ビール」として流行し、300社に登る地ビール会社が存在するも、2003年にその流行は終息し、地ビール会社は200社程にまで減った。以降、地ビール会社、ビール職人は工夫を加え、「小規模なビール醸造所でビール職人が精魂込めて造るビール、または品質を重視して、ビール職人が手塩にかけて造るビール」の含意で、「クラフトビール」として市場に出回る。その作品に合わせたポップなデザインから、クラシカルなデザインとパッケージも様々。その土地の需要を満たす目的で作られ、比較的生産量の少ないビールであり、一種ごとに違うフレーバーが、言わば一つの作品として、多くの人の目にとまった。

 

『100種類以上のスタイル』

 

クラフトビールのスタイルは細かく分けると100種類以上にもなる。原料や発酵法、醸造法によりスタイルは分類される。

詳しくは【ビールの原料と製造法、発酵方】を参照。

スタイルが違えば味わいもまったく異なり、自分好みのクラフトビールを楽しむことができるだろう。その中でも代表的な7種類が存在する。その種類と、その特徴についてご紹介したい。

 

1,『ピルスナー』

クラフトビールのみならず、ビールのなかではもっともポピュラーな種類。日本国内の大手メーカーの主力商品、「スーパードライ」、「一番搾り」、「エビス」、「プレミアムモルツ」。それらの黄金色のビールはピルスナースタイルである。ホップの苦みが程よく、キレの良いのど越しやバランスのいい苦みが特徴だ。比較的ライトな味わいが楽しめることから、多くの人に好まれるスタイルである。苦みを求めるクラフトビールとしては、若干の物足りなさを感じる場合もある、やや軽いテイストだ。

 

2,『ペールエール』

クラフトビールにおいて、最も主流であるスタイルだ。「Pale Ale 」は(うすいエール)と表すが、香り、苦み、共に濃厚なテイストで、ホップ感はピルスナーに比べて極めて強い。多くのクラフトビール好きが愛し、多くの職人の作品が存在する。ピルスナーの次に飲むのはペールエールだ。クラフトビール職人は最高のペールエールを作る事がステータスではないだろうか。個々の作品にもよるが、ピルスナーに比べるとアルコール度数も若干高い。

 

3,『IPA』

近年、クラフトビール界で最も人気があるのが「India Pale Ale」(インドペールエール)。通称「アイ・ピー・エー」だ。かつて、イギリスからインドまでビールを運ぶ際、腐敗しないよう大量にホップを使った、という故事に由来するという話も聞いた事がある。ペールエールのホップの特徴をさらに強調したスタイルで、もはや苦いと感じる程。アルコールの度数も高め。むしろその相当な苦さが、クラフトビール好き、IPA好きにはたまらない強烈な個性だろう。柑橘をベースにした香りがまた、バランスのとれたスタイルを表現してるように思う。クラフトビールが認知され始め、流行ではなく文化を作ってきたのはIPAの存在が大きいと言っても過言ではない。この苦みを味わえた後のものすごい爽快感は、IPAをリピートする理由だろう。

 

4,『ヴァイツェン』

小麦から作られたビールである。これもまたファンの多いクラフトビールである。ヴァイツェンとはドイツ語で「小麦」のことを表す。ヴァイツェンの一番の特徴は、苦味が非常に少なくフルーティな香りだろう。原材料にフルーツなどを使っているわけではない。柔らかな口当たりで、ホップの感じが少なく、かなり飲みやすく女性に人気の高いクラフトビールだ。中にはヴァイツェンしか飲まないクラフトビール好きも少なくない。ピルスナーやビール本来が苦手な方はここから入ってみるのも良いかもしれない。

 

5,『フルーツビール』

名前の通り、実際の果実を、麦汁(ビールができる前の液体)に漬け込んだり、フルーツ果汁を加えて造るビールである。ヴァイツェンとは違い、ホップの苦みとフルーツ本来の甘さのバランスはクラフトビールならではの味わいだ。洋梨、いちご、リンゴ、オレンジ、チェリー、ピーチ、フランボワーズなど、使われるフルーツの数だけテイストの種類も広がる。フルーツによる味の違いはフルーツビールの醍醐味だ。

 

6,『スタウト』

ペール麦芽を原料とし、上面発酵という製法で作られるスタウトビールはアイルランド発祥だ。その見た目は真っ黒でクリーミーな泡が美しく際立つ。焦がした大麦を使用し、黒く色つけをしているが、見た目とは対照的な味わい。普通のビールに比べても苦味は極めて少ないどころか、まろやかかつ滑らかでスッキリとした味わいだ。黒ビールには、様々な原料や製法、または発祥地の違いから複数のスタイルに分かれている。スタウトはアイルランドが発祥に対して、一般的に知られている黒ビールはドイツ発祥のシュバルツである。

詳しくは【黒ビールを堪能する】を参照。

さらに面白くなる黒ビールの魅力や歴史、味わい方を紹介している。

 

7,『バーレーワイン』

長い年月をかけて熟成させる製法のビールだ。ホップの苦味は少なめだが、熟成されたカラメルフレーバーが特徴で、アルコール度数は(8~12%)とビールとしては高めなのもバーレーワインの特徴である。以上の点から「Barley Wine (麦のワイン)」という名がついた。製造過程に年月を要することなどから、稀少性が高まり、日本国内でも近年急激に人気が高まる。

カラメルのような熟成香で濃厚な味わい、高アルコールのバーレーワインは、締めで飲まれる事が多い。「ワイン」という名称がつけられているが、あくまでもビールである。

 

 

クラフトビールは深い。今回紹介した7種類のスタイルの他にも様々な種類が存在する他、同じスタイルでもブルワリー(醸造所)の違いによって全く違った味わいを堪能できるのもクラフトビールの醍醐味であり、ビール職人の志の強さを楽しめるだろう。またグラスによるビールの楽しみが存在し、スタイルによってワイングラスが存在するように、ビールもグラスを変えて、そのスタイルを味わう楽しさもある。

詳しくは【グラスによるビールの楽しみ方】を参照。

 

 

ドイツや、アメリカ、各国に著名なビールが存在するが、日本のビールのクオリティは極めて高い。ビールをもっと美味しく、ビールをもっと楽しく。