2019/02/02
【名作椅子を感じる】

【名作椅子を感じる】

 

空間インテリアのスタイルで決め手となる椅子。全体の色合いや家具の配置はもちろん、ワンランク上のインテリアは、こだわりの椅子にある。椅子を考えた時、その人のライフスタイルまたはワークスタイルが変わり、ライクスタイルとなるだろう。今宵はそんな椅子について触れてみたい。

 

ミッドセンチュリー時代から現代に至るまで、世界で多くの作家が名作椅子をプロデュースしてきた。椅子は座るものであり、照明器具や、絵画などのアート作品とは違い、座ってしまえば見えない。しかし、多くのインテリアコーディネーターや評論家は、椅子こそインテリアの心臓部分と言う。確かに、その空間を一番使うのはその部屋の主人であり、その空間にいる時は居心地よくいたい。名作椅子と言われるものは数多く存在する。それはルックスや使いやすさとは比例しない。そう、椅子の面白さはここにある。様々なシーンやシチュエーション、スタイルがある中で、それにハマるもの。そして使いやすい、使いにくいは、個々の身体の大きさなどにより人間の数だけ存在する。正解はないという事だ。だからこれだけあっても面白いのだ。

 

 

 

『イームズ・シェルチェア』

まずはイームズのシェルチェア。高級感ではない、素人から見たらどこにでもあるただの椅子である。この椅子のすごいところはそこだ、1950年、ミッドセンチュリー期に誕生し、未だに愛され続けている名作中の名作だ。このスタイルは、カフェやショップ、商業施設と多くの場面で目にした事が多いであろう。他にもイームズは多くの名作椅子を世に送り出してきた。イームズプライウッドチェアは1946年に発表後、20世紀最高のデザインにも選出され、今なお世界中で愛され続けている。詳しくは【チャールズ&レイ・イームズ 】参照。

 

 

 

『ARP・ショフューズ』

ショフューズ(Chauffeuse)はピエール・ガーリッシュ率いる3人による造形研究アトリエ「A,R,P」名義で発表されたシームレスソファ、エアボーン社製だ。無垢スチール丸棒を用いたシンプルなデザインは、日本家屋に調和するフレンチヴィンテージとして、ファンに愛される一脚。相当稀少性の高い作品だ。ピエール・ガーリッシュは他にもたくさんの作品を世に送り出した先駆者とも言えるだろう。詳しくは【ピエール・ガーリッシュ(ARP) 】参照。

 

 

 

『柳宗理・バタフライスツール』

日本を代表する名作チェア、バタフラスツール。1954年に発表された柳宗理の代表作。このシンプルかつ、大胆なデザインは世界的にも高い評価を受け、パリのルーブル美術館、またはニューヨークの近代美術館などで永久コレクションとして、今なお展示されている名作だ。詳しくは【柳宗理とバタフライスツール】を参照。

 

 

 

『プルーヴェ・スタンダードチェア』

家具好きや、椅子マニアにはたまらない作品である。1934年発表の作品ではあるが、1950年代までの間に、様々なタイプの椅子を発表してきた。シンプルなデザインではあるが実用性も高くプルーヴェの持ち味が発揮されたラインナップだろう。デザイナーでもあり、自らが工房を持ち製作にあたる職人でもあるプルーヴェは、何台ものスポーツカーを所有していた。男のロマンの象徴のような人物だ。詳しくは【ジャン・プルーヴェとスタンダードチェア】を参照。

 

 

 

『岡本太郎・サイコロ椅子』

岡本太郎をご存知だろうか。画家として、彫刻家として世に出た彼は、大阪万博で日本を背負ったと言っても過言ではない人物。多くの人は彼のことを、絵画や、彫刻を掘る、アーティストまたは芸術家としているが、彼は家具作りにも猛烈に挑戦していた。1957年にリリースされたサイコロ椅子は、何より岡本太郎本人が最も使用し愛していたと言われている。詳しくは【岡本太郎という男】を参照。

 

 

 

『ウェグナー・GE290 High Back』

デンマークGETAMA社の「GE290 High Back」は椅子マニアにとってたまらない作品ではないだろうか。むしろ素人から見てもこの絶妙なルックスは見るものを魅了する。様々なカラーのファブリックから、シックな本革仕様と、椅子好きの心をくすぐる。詳しくは【ハンス・J・ウェグナー】を参照。

 

 

 

『アアルト・Stool60』

このstoolを知らない人がいるだろうか。20世紀を代表するフィンランドの建築家でありデザイナーでもあるAlvar Aaltoの作品。最もシンプルで、最も多くに人に愛されてきた。通称「アアルトレッグ」と呼ばれる柔らかな曲線を描く脚部は、余計な金具を使わない特殊な加工技術で成形され、スツールはL字型の脚部を座面にネジ止めした構造で、素材感を活かした柔らかなフォルムになっている。日本では学校の工作室や図書館、公民館などで幅広く使用され、多くの人が一度は座ったことのあるスツールだろう。詳しくは【アルヴァ・アアルト】を参照。

 

『ストーリーを快感する』

椅子は空間の心臓であり、空間の顔だ。今回の名作椅子コレクションは代表的なものと少しコアなものをセレクトした。魅力のある作品ばかりだが、椅子の世界は深く、まだまだたくさんの魅力ある椅子が世の中には存在する。そして更に名作椅子が好きになり、そのストーリーを快感し、自身のライクスタイルを充実させるのは楽しいものだ。椅子に正解はない、個々に、それぞれに、様々な思いが込められている。