2019/05/08
リズム・アンド・ブルース

リズム・アンド・ブルース

 

『R&B』・(アール・アンド・ビー)、または『RnB』(アールビー)などとして知られ、日本でも多くの洋楽ソングを聞く事も多い。また多くの日本人シンガーも存在し、メロディアスで聴きやすい音楽は、多くの人に感動を与えている。そもそも(アール・アンド・ビー)とは『R&B』と表し、正確には『リズム・アンド・ブルース』と呼ばれている。名前の通り、リズムに乗せたブルース感のある歌を叫ぶように歌うのが特徴的な音楽であり、発祥してから今日までに多くのジャンルに影響を与えてきた音楽ジャンルの一つである。

 

 

戦前には既に存在していた『ブルース』『ゴスペル』などの影響からなる黒人音楽で、1942年には『リズム・アンド・ブルース』の存在はあったが、確立はされていなかった。1947年頃、ビルボード誌の特集によって世に出始めた頃は、『レイス・ミュージック』と呼ばれていたが、同年頃『リズム・アンド・ブルース』として確立されて以降は、瞬く間にそのジャンルが浸透し、黒人のみならず、全世界へと広がりを見せた。『ブルース』『ゴスペル』の延長線上で発展していった音楽だけに、当時の『リズム・アンド・ブルース』は黒人たちの地位向上の訴えや、アフリカンアメリカンとしてのルーツを示す手段でもあり、黒人音楽として更なる発展を遂げていく。1950年代中頃に生まれた白人音楽、『ロックンロール』も『リズム・アンド・ブルース』の影響を大きく受けた音楽ジャンルである。『ロックンロール』は8ビート、スリーコード、エレキギターを基調とするサウンドが特徴であり、『リズム・アンド・ブルース』の特徴である8ビート、ブルースのコード進行を応用した楽曲構成で成り立っている。それらを軸に、白人音楽の『カントリー・アンド・ウェスタン』を融合させたものが『ロックンロール』なのだ。

 

その後1960年代頃、ヨーロッパにも渡り、多くの若者が聴き、踊り、歌い、『リズム・アンド・ブルース』の虜になっていく。その後もヨーロッパから『リズム・アンド・ブルース』を演奏するアーティストが続々と現れ、『ホワイトR&B』として、世界中に広がりを見せた。その頃アメリカでは、多くのR&Bシンガーが現れ始め、力強く心地のいい音楽を世に送り出していた。ポピュラー・ミュージックとして広範囲にわたり発展・拡大していく黒人音楽は、魂の叫びとして次第に『ソウル・ミュージック』と呼ばれ始める。同年頃、もちろん日本にも浸透し、青山ミチ、和田アキ子らが、『和製R&B』または和製ソウルとして勢力的に活動していた。1970年代には、シャネルズ・ラッツ&スター、鈴木雅之、鈴木聖美など、まだまだ多くのアーティストが現れ、日本なりの発展をしていく。

 

 

リズム・アンド・ブルース』から自然発生的に生まれた『ソウル・ミュージック』との明確な線引きは非常に難しく、多くのレコード店などでも、『ソウル/R&Bなどとして同一的に扱われる事が多い。『ソウル/R&Bの代表的なアーティストとして、アレサ・フランクリン、サムクック、ダニー・ハサウェイなどが挙げられる。また、魂の叫び・キングオブソウルとして挙げられるオーティス・レディングなど、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」でも、多くの『ソウル/R&Bアーティストが選出されている。1980年以降には、『ブラック・コンテンポラリー』として、ブラックミュージックが隆盛を誇った。より多くの黒人アーティストが現れ出した。シンセサイザーなどの新たな音楽機器を多用し、甘くメロディアスなバラードながら、どこか都会的でクールな音を特徴としたスタイルが作られ始めた。1990年代に入ってからも『ブラック・コンテンポラリー』の勢いは更に増していく。日本では『ブラコン』などと呼ばれ、ディスコやテレビCMなどでも大いに使われ始めた。多くの楽曲にミュージックビデオも起用された事は、世界的に認知されファンを増やしていく要因となったのかもしれない。『ブラック・コンテンポラリー』の歌のもをさして、再び『R&Bという言葉が使われるようになる。しかし、1950年代前後の『リズム・アンド・ブルース』と、呼称は同じであるものの、当時の黒人音楽を知るものや、聞いていた層にとっては、現在の『R&Bの存在に違和感を覚える者も多く存在するのは事実だ。

 

 

ブルースやゴスペルなどの黒人音楽から発展を遂げた『リズム・アンド・ブルース』は、黒人音楽だけでなく、世界に羽ばたき、あらゆるジャンルの音楽に大きな影響を与えた。黒人という枠を越えて世界を認めさせた音楽でもある。そして多くの歴史を残し、未だに愛され続ける音楽ジャンルの一つだろう。1950年代に遡り『リズム・アンド・ブルース』を掘り下げていくのは、ルーツを辿る意味で非常に面白いのではないだろうか。