2018/11/17
ミッドセンチュリー

ミッドセンチュリー”Mid-Century”

1950年代を中心に、1940~1960年代にアメリカや北欧などで工業製品として大量生産された家具やそのデザイン、建築物などを表す。または、これらのデザイナー達が活躍したこの時代を指す言葉。

 

“Mid”=真ん中と、“Century”=世紀

 

Mid-Century

 

20世紀の真ん中という意味で、基本的にはインテリア業界を中心に使われた言葉だ。もともとアメリカで生まれた言葉ではあるが、アメリカ製品のものとは限らず、その年代のデザインの事を指すため、北欧や日本の製品、デザインにもミッドセンチュリーは勿論存在する。とは言え、ミッドセンチュリーデザインを作り出し、それを大きくしていったのは、アメリカのHarman Miller社やKnoll社だろう。

 

 

Harman Miller社はジョージ・ネルソン、チャールズ&レイ・イームズ、アレキサンダー・ジラード、イサム・ノグチといった、当時最も活躍していたデザイナー達との融合により、有名でスタイリッシュなモダンデザイン家具メーカーとして、アメリカのみならず、世界的にその名を轟かせた。

 

 

 


『ミッドセンチュリースタイル』


ミッドセンチュリースタイルは、デザインがポップで大胆な配色、円形や直線をつかった面白く印象に残るデザインが多くみられる。また使いやすさ、使い心地や、どこか暖かさをもつデザインが多いことも、今日まで愛され続けている理由の一つに挙げられるだろう。滑らかな曲線具合や、おそろしく幅広いデザイン性、宇宙を連想されることからコズミックパターンなどと呼ばれることもある。

 

レッグスプリント by Charles & RayEames

ミッドセンチュリースタイルの代表的なデザイナーに、先ほども出てきたアーティスト、チャールズ・イームズが挙げられるだろう。イームズ夫妻が設計した「レッグスプリント」と呼ばれる脚の添え木。夫妻が発見した熱と圧力で木材の成型をする新技法により作られた作品だ。第二次世界大戦真っ只中、アメリカ海軍より依頼を受け、担架やグライダーシェルなどの開発をしてきたイームズ夫妻。この時に用いられた成型積層合板の技術は後々家具の設計にも大きく応用されている。

 

『ジャパニーズミッドセンチュリー』

 

日本では、バタフライチェアで知られる柳宗理(やなぎ・そうり)は、日本のミッドセンチュリーに最も影響を与えた、代表的なインダストリアルデザイナーだ。1956年、松屋銀座で開催された第一回柳工業デザイン研究会個展にて「バタフライスツール」を発表してから、多くの人がそのデザインに圧巻し世界的に有名なデザイナーとなった。パリのルーブル美術館、ニューヨークの近代美術館など、世界各地の美術館に永久コレクションとして今尚選定されている。

 

バタフライスツール by SORI YANAGI

 

この時代は、日本でもバラエティに富んだデザインが数多く生まれ、現代のデザイン史の中でも重要な位置を占める時代だといえる。

 



いわゆる「ミッドセンチュリーモダン」と呼ばれるデザインのものは、アメリカを中心に語られることが多いが、同時代的に全世界で同時進行していた動きであった。半世紀が経た現在、これらにコンテンポラリーな素材、新しい技術も融合されて、再評価されているのである。

ポップでありながら合理的なミッドセンチュリースタイル。これを、新鮮と思うか、ノスタルジックと感じるかは自由だ。家具や建築、そしてグラフィックデザイン、半世紀前の過去ながら希望に満ちた「未来」さえも感じさせるスタイルは、現代においても高く評価され、現代の日本の家具やインテリアに大きく影響を与える。今後、日本の家具の作り手にもスポットを当てていきたい。