2018/12/15
Dannys film

【Dannys film 山口改】

フリーの役者やカメラマン、構成作家などを集め、インディーズムービーの製作をする映画製作集団【Dannys film】。その代表は、制作側の監督でもあり、自身も役者として出演する山口改 氏。Vol1ではプロダクトや、監督業についてお話を伺ったが、Vol2は俳優業の事について語ってもらった。

 

 

EenPunt(以下E): Vol1では『Dannys Film』の事や作品の事、監督業について伺いましたが、今回は俳優『山口改』としてお聞きします。

 

山口改(以下Y): 宜しくお願いします。

 

E: 実際は俳優がメインですよね?

 

Y: メインと言ったら全部メインですが、最初は役者から入っています。実際自分が役者をやりたいから撮ってるが主軸です。なかなか役者って映画に出る機会は少なくて。僕自身がたくさん出たいし、自分で撮っちゃえば出放題だというところから『Dannys Film』はスタートしてます。

 

E: Dannys Filmの原点は自身の役者からって事ですね。

 

Y: 19歳の時に舞台からスタートして、演技や映像のスクールに通って思ったのは、役者、またはたくさんの作品が飽和している状態で、どうしたら世に出られるんだろうと言う疑問でした。様々な映画監督と話しをしたり、実際に自分が役者としてや、製作する側として感じたことは、実力差なんてそんなにないという事です。もちろんスキルのある人や凄い人、素晴らしい人はたくさんいると言う前提で。

 

E: 個性になってくるって事ですか?

 

Y: 個性は一人一人にもちろんあるにしろ、演技力って面では一定のラインを越えたら、それほど大差はないなと。その役者にとってはまり役とかがあればそれはそれだと思いますけど。

 

E: なるほど。

 

Y: じゃあ今、何が自分の強みなんだって考えた時に、年齢やルックスや、流行りのスタイルからは除外されます。

 

 

E: 十分かっこいいですけど

 

Y: 世の中で考えた時に、自分はそこに該当していないと思ったんです。だったら実力でって勿論言いたいし、そうありたいけど、現実的に考えて、話を作れることを強みとして生かしたほうが早いかもと思い始めたんです。

 

E: そこから、脚本や製作も自らやり始めたって事ですね。

 

Y: 今の時代、自分で作ってやれちゃうなって。それで撮り始めましたね。それが自分の強みと今尚感じているし、可能性こそ感じています。これでヒットしたら面白いじゃないですか。

 

E: では役者になろうと思ったきっかけはなんですか?目立ちたがり屋ですか?

 

Y: 完全に目立ちたがり屋ですね(笑)。それもそうですけど、映画や漫画のキャラクターの真似ばっかりしてましたね。その中の人間になりたかったっていうか。それで物心がついた思春期、15歳くらいですかね、これやりたいなって思いました。だからずっとこんな感じですね。中学の時はバンドでしたけどね。

 

E: 表現って意味では一貫してますか?バンドや役者は。

 

Y: なんか小学生の頃は漫画家になりたかったり、音楽活動もやったり、今は役者やったり、色々やってる気がしますけど、僕の中では表現方法の違いなだけで、何をやるにしても求めている事は一つですよね。これからも、自分ができる事や、やりたいことには、変わらず積極的にチャレンジします。

 

Photo by Kai Yamaguchi

 

 E: いいね~、いいですね~。写真も撮りますもんね。

 

Y: 今でも絵は描いてますし、写真もたくさん撮ります。役者はなかなか活躍できる機会が難しかったから自発的にって事で、映画を自分で作っちゃった感じです。

 

E: バイタリティに溢れていて楽しいです。それでは、好きな役者はいますか?

 

Y: ロバート・デニーロですかね、断然。日本だと松田優作さんや、三船敏郎さんですかね。男が惚れる男ですよねみなさん。

 

E: なるほど、一貫してますね。

 

Y: かっこいい、この中に入りたいって純粋に思いますよね。

 

E: ロバート・デニーロの作品で好きなものはなんですか?

 

Y: 『タクシードライバー』は衝撃を受けました。デニーロの映画は全体的に影響を受けています。タクシードライバーでデニーロが着ていたジャケットは普段着ています(笑)。デニーロの映画を観始めた時からですかね、本格的に役者として動き始めたのは。

 

 

E: ビビビッときた感じですね。

 

Y: 何がとか分からないですけど、もう凄すぎて。もうヤバってなって。

 

E: それはいくつの頃ですか?

 

Y: 16歳の頃だと思います。その頃はヒット作を見まくっていた頃ですね。そこからデニーロ三昧が続きましたね。あと、ダスティン・ホフマン。

 

E: 『卒業』

 

Y: それです!洋画でも邦画でも70年代の映画は、これまでの型をぶっ壊してやろうという空気があって好きです。自分の中でターニングポイントで、焦りましたね(笑)

 

E: いや~、名作ですよね。確かに、男が憧れる男ですね。

 

Y: なんか、ちゃんとダサいんですよ。それに尽きると思うんですが、かっこいいだけだと面白くないし、ありふれてますよね。物語の主人公は、漫画でも映画でも一貫して思う事なんですが、かっこいいだけは魅力がなくて、僕はそこに圧倒的な欠点があってほしいなって思うんですよね。例えば、漫画ワンピースで言うと、ルフィーは「海賊なのにカナヅチかい」みたいな。そう言う欠点が好きですね。

 

E: なるほど、面白いですね。

 

Y: 自分が役者である時も、監督として、キャストを組む時や、脚本を書く時に、常に考えることがあって、それぞれのパラメーターなんですけど。役者はその数値をどれだけ操作できるかって言うのが役作りだと思うんです。その中で矛盾してるのが面白くて。例えば「男気10」と「女々しさ10」ってめちゃくちゃ面白くないですか(笑)矛盾してんじゃんみたいな。でもある意味、役とかじゃなくて、それが人間らしさってか、人間の面白さってそこかなって。人間に整合性なんて、なくていいじゃないですか。

 

 

E: それは自身の役者にも、監督としてキャラクターを考える時にもですか?

 

Y: もちろんです。ダメさを作るってのが僕の中で面白さって思います。

 

E: 最高に面白いですね。それがロバートデニーロやダスティンホフマンのカッコよくダサいところですね。納得です。

 

Y: まぁ、これが一番難しいんですけどね。でも言葉で定義する事をしないだけで、みんなその中で生きていると思うんですけどね。あいつこう言ってたのに、こんなことして矛盾してるってのが人間じゃないですか。役者は人間業ですよね。

 

E: 山口くんの新たな作品もたくさん見たくなります。自身で映画を撮り始めて、自身の俳優としても成長する事や、感じる事が豊富にありそうですね。

 

Y: そうなんですよ。自分がたくさん出たいから、自分で撮っちゃえからスタートしましたが、それによって俳優として学ぶこともかなりありますね。言ったら、偉そうじゃないですか、他人に演出するわけだし。未熟な僕が監督やってて、100年早いわって思われる方もいるかもわかりませんが、僕の中では反面教師で、アウトプットで学べるので相当楽しく、自分にとっては最高です。

 

E: 役者として、制作側から学んだ面白さは?

 

Y: 自分が描いたものに対して、どう返ってくるかが一番面白いし、どう伝えたらそのイメージにハマるものが返ってくるのかとか。でも持ちキャラってのは絶対にあってが前提ですけどね。「この人何やってもこの人だよね」ってある意味マイナスに捉われがちじゃないですか。でも僕はそれはすごい事だと思っていて、そもそもカメレオン役者なんてほぼいないんですよ。その人はその人。だからその人の持ちキャラをどう生かせるか、どうイメージづけるかって思ってます。中には居ますけどね、半端じゃないカメレオン役者も。

 

E: その中で、山口くん自身が役者業として、気を使うというか、気をつけるところ、大事にしてるところはありますか?

 

Y: 独りよがりにならない事かな。一人芝居だったら別ですけど、相手がいたりする芝居なんかは特に、相手の話やそのセリフをどれだけ聞けるか。極論言えば、これができるかどうかってとこだと思う。自分の次のセリフを考えちゃいがちですけど、芝居や、セリフではなくて、本当の会話にするにはそうしないといけないし、ばれちゃいますからね直ぐに。あとは主役でも脇役でも自分が一番と思ってやる事ですかね、出しゃばるとかじゃなくて。

 

E: 極論ですね。

 

Y: やっぱり一番大事かなそこが。本当に話聞きながら、芝居じゃなくて会話をするってのは相当難しいですからね。だから僕は、見ていて「うまいなぁ」って思う芝居よりは、「超リアルだなぁ」って方が好きです。芝居じゃなくなるのが一番というか。

 

E: 映画の見方が変わりそうです。ベテランの役者さんはうまいですよね?

 

Y: もちろんです。ベテラン役者さんの、経験や訓練などによって習得した技術のうまさは、僕自身も見習うべきであり、習得したいものはたくさんあります。その中で、ベテランの役者さんで、「うまいなぁ」と、「超リアルだなぁ」がある人って凄いと思います。メリル・ストリープとか半端じゃないですよね。どの作品にもハマりすぎてて。

 

E: なるほどです。クレイマークレイマーが見たくなりました。では山口くん自身が今後やりたい事を聞かせてください。役柄でも、作品でも。

 

Y: 自分の作品作りをメインに動いてますが、他の監督の映画にももちろん出たいし、オーディションやワークショップにも積極的に参加しています。それは昔から変わることがないですね。まぁ、何しろ学びたいです。たくさん経験していろんな事を感じて自分のプラスになる事は常に考えてますね。あとはサスペンス系ですね次は。自分が好きなジャンルです。犯罪とかに関わる人間の心理っていうか、犯罪者側も、警察組織みたいなのも興味が湧きます。

 

E: 得意な役柄は?

 

Y: おそらく繊細な役柄ですね(笑)さっきの持ちキャラの話に戻っちゃうんですけど、役はルックスとのギャップがあった方が面白いと思っていて、綺麗なお姉さんが、綺麗なお姉さんの役をするよりも、そんな綺麗なお姉さんが超根暗でオタクでみたいなのが、持ちキャラだったら面白いし。僕の場合、このルックスで繊細ってのが持ちキャラっていうか。僕の見た目だったらオラオラっていうか、ワイルドってな方向に行きがちなんですが。あとドス黒い役は実は苦手で、どうしてもわかんないって思っちゃいますね。でもそんな役も習得できたら面白そう。

 

E: では最後に、役者の面白いところや、それをしている訳はなんですか?

 

Y: まあ自分の中で難しすぎるってか、役者になってみて深すぎて、なかなか届かないところってのがまず面白くて、続けている理由ですね。正解はないってところ。あとは、芝居をしててゾーンに入る時ってのがあるんですが、集中してるというか、もう自分じゃない魂が入ってるというか。「カット」の声でハッとなるみたいな時があるんですよ。全然覚えてないというかハッとなる時。その時とかはもうたまらないですよ(笑)。あとはどの職業にもなれるというか、極論言うと犯罪者にもなれる訳ですし(笑)。

 

 

E: 本当にワクワクさせてくれるインタビューありがとうございました。またお願いします(笑)

 

Y: 是非またお願いします。

 

 

【Dannys film について】

 

【Dannys film 山口改インタビューVol1】